特集 臨床生理検査と採血
II.採血
抗凝固剤の用い方
西風 脩
1
,
市田 篤郎
1
1北大・生化学
pp.173-175
発行日 1971年2月15日
Published Date 1971/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542917301
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採取した血液を放置すれば,先に述べたように凝固して血清と血餅に分かれる.この過程で血液凝固因子は活性化され,消費される.したがってプロトロンビンやフィブリノーゲンなどの凝固因子を測定する場合には,凝固を阻止することが絶対的に必要である.血清を分離するには10-20分は静置を必要とし,もし低温に保存すればこの時間が延長するため,その間に血液CO2,NH3,pHおよびO2などは変化してしまう。また毛細管による微量採血では血餅を管壁より剥離しにくい.血液中の有形成分を取り扱う血液学的検査の場合も,血餅になったのでは取り扱いに困る.
つまり,血清を分離して用いるか,あるいは全血をただちに高度に稀釈,または除タンパクする場合以外は,なんらかの方法で凝固を阻止しなければ,検体として扱うことが困難になる.
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