社会の動向
総選挙の結果と政界の動向
長谷川 泉
pp.58-59
発行日 1955年4月1日
Published Date 1955/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611200834
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自由党の凋落を以て今度の総選挙は終つた.第2次鳩山内閣が成立し,鳩山ブームといわれた結果は政治約に形を具現することになつた.
それにしても自由党の惨敗は,数次に及ぶ吉田内閣が民心に倦きられたことをも反映して,国民の審判がここに下つたかの感が深い.政治力は矢張り民心の機微をつかむものでなければ発揮されないし,唯我独尊式の横紙破りではおし切れないことを如実に示したものであつた.民主主義社会を形成する世論の力は自由党に冷厳な批判を与えたのであるが,その要因は自由党の内部にあつた.
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