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来年度予算の目玉 国民健康づくり—対人保健サービスを市町村へ移管 保健婦の身分一元化・増員も
pp.637
発行日 1977年10月10日
Published Date 1977/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662205909
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厚生省は8月末に行った来年度予算の概算要求で,国民健康づくり運動推進対策を明らかにしたが,その中で,対人保健サービスを市町村に移し,全市町村に1か所の保健センターを新設するとともに,その中心スタッフに保健婦をあてる構想を打ち出した。
この構想は,渡辺厚生大臣がかねて主張している"国民の健康は1億国民みずからが守る"というモットーを実現するため,この春以来省内で検討を重ねられていたもので,"胎内から長寿まで"というキャッチフレーズをつけた国民健康づくり推進要綱によれば,①従来から行われてきた母子保健対策,1歳半・3歳児検診,学校保健,成人病対策,老人保健対策のほか,これまで見落とされていた主婦の保健対策(貧血・肥満対策)を重視し,ライフサイクルに着目した保健対策を総合的に実施する。②そのため従来保健所が中心となって行われてきた対人ヘルスサービスを市町村に移管し,地域の保健センター(既存の母子健康センター,農村健診センターなど各種センターや保健婦ステーションはこれに一元化)を拠点として実施する。③活動の中心は保健婦とし,その拡充は市町村を中心にして行う。④地域の保健活動を総合的に実施するため,国・県・市町村段階で医師はじめ関係者が参加する"地域保健協議会"を設置し,実施のための体制づくりを検討する――というのがその骨子である。
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