保健婦の壁
保健所の保健婦として/病院をみて感あり
菊川 文子
,
松本 良子
pp.47-48
発行日 1953年3月10日
Published Date 1953/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662200478
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私が保健婦雑誌1月号で始めて「壁」の欄をみた時,まずハツと思つた事は,そこに掲載された諸姉の言葉が,いたずらに壁に向つて暗い影を投げかけ,空しい声が反響していることでした.本当はもつと堂々と明るく主張されるべき言葉が,いつか暗いじめじめした不平愚痴になって,もうそこから身動きもならないと言うような苦しさを伝えて来ることでした.どうしたわけなのでしよう--.
もう私達自身が仕事の限界を見きわめて,そういう訴えから卑怯にも逃げ出してしまいたいと思つているのでしようか,社会の批判に対しても,はつきりした解答が出来るように,私達自身も深く反省しなければならぬ事は言うまでもありませんがただ私達にも一言いたい事があります.本当に誠意を持つて仕事をしようとした場合,次のような事柄について解答があたえられれば積極的に患者の為にも,社会の為にも尽すことが出来ると思うのです.
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