音楽入門
楽典(3)
山本 金雄
pp.44-46
発行日 1952年10月10日
Published Date 1952/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662200382
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今回は音楽殊に楽典を習い初めた人が戸惑いし,之から先,進み方が遲々として,遂にあきらめて了い勝ちな音程と音階の事をお話し致します。但し音程の事は,専門的に理論的に勉強されしたいと思う人はともかくとして,音楽を聴く為に又は演奏する為に,特に力を入れて身につけなくてはいけない事ではない。それよりも,どんな音のへだたりでも聴け又は唱えるようにする事の方が大切であるが,一応簡単に説明致しますと,音程とは二つの音の高さの関係で,完全音程(1度,4度,5度,8度),長音程,短音程,(2度,3度,6度,7度),増音程,減音程(1度より8度までどの音程にも出来ますが実際使用されるものは増音程となるもの2度6度,減音程となるもの3度,7度,増減共になるもの4度,5度である)で更に之をよく調和する協和音程(完全協和音程完全音程全部不完全協和音程長短3度,6度音程)と不協和音程(残り全部)で後者は2音がお互に離れ離れの響で不快の感じのする音程である。以上は常識として,一通り知つて置く程度でそれ以上の事は,専門の楽典の書物を読み,その道に詳しい方に直接聞いて頂く事にして,こゝでは次の音階の問題に入ります。
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