音楽講座
ポピュラーシンホニー
山本 金雄
pp.78-80
発行日 1955年10月10日
Published Date 1955/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662201048
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
最近は外国人の演奏会に押され,邦人の音楽会は殆んどが,がらがらの入りで,下手をすると演奏者の方が多い場合があり得る現状です.オペラが非常に盛になつたとは云つても余程面白いオペラで而も演奏者の粒が揃つてない限り不入りであり,交響楽団の演奏会でも演奏団体と共に曲目が面白くなくては,お客が入らない状態です.之は聴衆の耳がよくなつた為もあり,LPレコード,NHK及び民間の放送局でよい演奏をきかせる様になつた事にもよるもので,終戦後10年間の聴衆は大変な進歩であります.
殊に交響曲の演奏については,アメリカのシンホニーオブザエアーの来日により,技術的にも,アンサンブル的にも,音楽的にも非常に優れた演奏を生で聴く様になつてから,特にその感が深い様です.その為邦人の第一流の交響楽団に於ても,ポピユラーコンサートを盛にやる様になり,曲目も一定して了つた様な状態であります.
Copyright © 1955, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.