音楽講座
誰でも出来るやさしい作曲入門(3)
山本 金雄
pp.72-75
発行日 1955年8月15日
Published Date 1955/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661909903
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先月号には「通りやんせ」について色々御話致しました。主に作曲する場合,譜面に音符を書く迄の御注意を致しました。
今度は作曲しようと思う歌詩についてお話致しますと,大きく分けて「見る」詩と「聴く」詩とあります。「見る」詩は本に印刷された詩等で目で読んで非常によい詩と「聴く」詩即ち朗読したり曲をつけて歌つた場合語呂や調子のよい詩とあります。「見る」詩の方は語感や韻を踏む事やアクセントを合せる事等よりも,寧ろ内容に重きを置いて,その表現によつて詩のよしあしが決ります。「聴く」詩の場合は勿論,内容やその表現がどうでもよいというのではありませんが,寧ろ耳で聴いて心よい調子をもつた詩がよい詩という事になり,目で見ないでも聴いただけで,その詩の内容が分る様な詩でなくてはなりません。
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