講座
社會學の學び方
土井 正德
pp.17-20
発行日 1951年10月10日
Published Date 1951/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662200155
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人間は誰でも社會の中に生きているし,誰でも社會をつくつているということができる。このお話をきき,これを讀む人は誰でも,また,社會という言葉を知つているに違いない。それでは社會というのは一體何かと問うと,大抵の人が,返答に迷うことが多い。わからないからそれを研究する社會學という學問もあるのでしようとは,確に御名答である。
社會學そのものが學者の間で必ずしも一定しているわけではない。從つてその不明瞭な社會學を勉強しようということは,相當骨が折れると覺悟してかかつてよいわけである。わかつたようで,はつきりわからない社會というものを研究するのが,社會學であることには間違いはないから,社會というものが,段々理解できたら,それが社會學の研究であり,同時に社會學の理解の仕方になるということもできるのであろう。
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