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麻疹
岡田 貫一
1
1東京都中野保健所
pp.23-27
発行日 1951年3月10日
Published Date 1951/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662200052
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本年は麻疹の流行期に當るので,麻疹に關する知識を整理しておきたい。精しい點は小兒科や看護學の書物,特にリンチ氏の傳染病看護學を參考としていたゞく事とし,こゝには小兒衞生の觀點から保健指導に必要な2,3の問題だけを取り出して御參考にしたい。
1,麻疹の流行の季節であるが4月から6月の間が最も多く10月が一番少い。冬の寒い頃でも散發的に發生はあるが,今年の樣に1月から多發するのは大流行の前兆で注意を要する。麻疹對策は先ず流行の波を知る事から始まるので,保健所と連絡し過去の流行の週期や状況を調査しておかなくてはたらない。東京の樣な大都會になると流行は一年おきに然も一齊に起るか,田舍では町から村へ交通の路線や人口の密度に從つて流行の移つて行く足どりが分る。流行の波が來たら未感染兒は風邪であつても一應は麻疹を疑い,外來患者の待合室なぞも時折巡視し疑わしい患者の隔離に努めねばならない。
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