日常診療で診る感染症 この疾患を見落とすな
成人麻疹・麻疹ワクチン
吉川 哲史
1
1藤田保健衛生大学 医学部小児科
キーワード:
PCR法
,
血清学的検査
,
ウイルス抗体
,
疾病の発生
,
成人
,
麻疹
,
麻疹ワクチン
,
予防接種
Keyword:
Adult
,
Antibodies, Viral
,
Disease Outbreaks
,
Measles
,
Measles Vaccine
,
Serologic Tests
,
Vaccination
,
Polymerase Chain Reaction
pp.873-877
発行日 2010年11月1日
Published Date 2010/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2011021872
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●米国での麻疹制御の歴史をみると、成人麻疹の増加が問題となり、それに対しMMRワクチン2回接種の徹底をはじめとした種々の対策が実施され、最終的に制御に成功したことがわかる。●わが国の現状は、昨今乳幼児の麻疹患者が減少しているのに比べ、大学生を中心としたワクチン接種者での麻疹罹患、いわゆるSVFが増加している。●SVFは、典型的な麻疹初感染例と臨床経過がかなり異なる。よって、臨床診断は困難で、実験室診断が必要となる。●ウイルス分離、血清診断は臨床現場での迅速診断には不向きである。そのような観点からは、分子生物学的診断法が有用となる。
©Nankodo Co., Ltd., 2010