主張
保健婦活動の具體性
pp.5
発行日 1951年3月10日
Published Date 1951/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662200047
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今年は保健婦に關する新しい法律が,9月になると實施されますが,それまでは從來の規則で運営されていますので,3月になつても保健婦として新しく巣立つ人がないのです。何故こんなことになつたのかといいますと,一口で云えば,保健婦に關する考え方が違つたゝめなので,むしろ正しく解釋されるようになつたからなのです。
保健婦の仕事というのは,公衆衞生のあらゆる分野に於ける看護活動であるということは昔も今も變らない定義なのですが,違つていたのは,看護活動そのもののあり方だつたのです病氣の豫防に健康増進に,生活指導に,目ざましく活動して今日の名聲を得ているのではありまずが,其の仕事の内容はひらたく言えば,口述による指導が其の主なるもので,手と足をあまり使わない具體性に乏しい指導が多かつたのです。口の惡い人が「講釋保健婦」などということすら言つた程です。そこで,この點が是正されて,最近では具體的な看護を中心とした文字通りの公衆衞生看護婦の内容をもつようになつて來ました。看護の社會性といいますか社會に進出する看護といいますか,家庭に於いて,學校に於て工場事業場に於て,或は保健所,病院等の醫療保健施設に於て,生活の實體に伴つた日常生活に織りこまれた看護の仕事が,そして其の指導がなされる事が望ましいのです。
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