速報
性ホルモンと體温
赤松 信代
1
1福島醫科大學産婦人科學教室
pp.303-304
発行日 1953年5月10日
Published Date 1953/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200838
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緒言
成熟婦人の微熱に就ては前世紀より之が卵巣周期と密接な關係がある事に就て注目されていたが其後結核の問題が重要視される様になつてからは之も結核の一症状であるとして餘り顧られなかつた。近年Rubenstein,Palmer等により成熟婦人の體温を基礎體温法によつて測定し,その結果より排卵期を決定し得る事が明かにされて以來,數多くの研究が相次いで發表され,基礎體温の經過意義及び臨床應用が確立された。
基礎體温曲線に於ける高温相が卵巣に於ける黄體ホルモン分泌期に當り又妊娠初期に於て高温相が維持される事より此の高温相と黄體ホルモンとの間に何等かの關係が存する事は想像に難くない黄體ホルモンが體温上昇を誘發する事に就ては,既にPerlman,Nieburg,Greenblatt,Davis,山口等によつて或は動物實驗に於て,或は臨床的に確認されて來た。しかし其の作用機序に就ては尚不明の點が少くないので更に之が詳細なる研究を企圖して來たが現在まで得た2,3の知見を茲に報告する。
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