職場報告
子等と共に—養護教諭の報告
松山 りつ子
pp.42-44
発行日 1950年12月15日
Published Date 1950/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662200017
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養護教諭の執務,それも理論面でなく,實践面について知りたいとお考えの方が多いと存じます。結核豫防に努力しようと希望に胸をはずませて,1年生の入學と共に私の生活は始まりました。2年の月日を反省しつつ勤務の一端をお知らせいたします。學狡教育法第28條に「養護教諭は兒童生徒の養護を掌る」と定められています。私の單純な考えは校内に入つて一變しました。どちらを向いても今までの様に指示を與えてくれる人もない。年間計畫,月案,學習計畫をたて,健康生活指導を爲すにも,今までの勝手で醫學用語が飛出して,ほんとに困りました。それにもまして或一つの事をなそうとするのにお互に自己の擔當分野を,又意見を通したいと先生方も懸命に努力されているので,この努力以上の努力が要る,いい加減にこうしたらどうか位の意見では通らない。確實な資料をもち,計畫をもつて始めて話としてとし上げられる。餘程の自信と忍耐力をもつて事を處して行く事こそ大切だと考えます。專門知識面についても相當深く追求される事が少なくない。これらの人に應對して行くにはやはり,より高い教養と,より深い專門分野の勉學に努めるべきで,すべてが私の場合努力の2字につきるのです。7時頃に登校し校舍内外を巡視し子供達の登校前に一應危險の有無を調べ適當に處理する。そして關係面に連絡し安全生活の出來る樣にする。朝の會には全兒童の動作,顏色を眺める。
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