特集 もう,家庭訪問で悩まない
家庭訪問事例を1人で抱え込まない仕組みづくり
今堀 初美
1
1滋賀県野洲町健康長寿課
pp.22-27
発行日 2003年1月1日
Published Date 2003/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662100039
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保健業務のなかで,個別援助活動としての家庭訪問は保健師活動の原点だと思っています。それは,家庭訪問が当事者や家族との信頼関係を築き,必要な療育や社会復帰施設などのサービスの利用,民正委員や地区組織との関わりなど,保健師のさまざまな援助技術を必要とする活動であり,他の保健活動の出発点だからです。しかし,個別援助活動は保健師個人の力量に左右されやすく,家庭訪問の内容を指導しフォローする体制がなければ,厳しい社会状況に置かれた住民の生活を1人の保健師だけで支援することは困難となります。そのため野洲町では,保健師の訪問活動の力量形成はもちろんのこと,ケースを1人で抱え込まないシステムづくりに取り組んできました。
しかし最近では,介護保険や精神保健など増加するばかりの保健ニーズに忙殺されており,この状況をどうして乗り越えていこうかと保健業務担当のリーダー保健師と話し合うことが多くなっています。そこで,本町の個別援助活動(家庭訪問)についての取り組みをまとめ,これからのあり方を考えていきたいと思います。
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