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弟原病
山口 剛
1,2
1佐賀大学教育学部
2九州大学医学部心療内科
pp.336
発行日 1988年4月1日
Published Date 1988/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661923122
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ここでいう「弟」とは,師弟関係,すなわち教師と生徒の関係における「弟」を意味する.しかし,弟原病という診断名が実在するわけではなく,あくまでも象徴的呼称にすぎない.
かつて母原病というコトバが流行した.その主唱者,久徳重盛氏は心身症や情緒障害の発生が幼少期における母子関係,すなわち母親の躾,養育態度,性格要因等に起因することが多いという立場から,これらを総括して「母原病」と呼んだ.すなわち,母親のあり方が子の病気の源泉になっているという力動関係を意味する.ただし,このような考え方はフロイト,Sに端を発する数多くの精神分析学者が古くから等しく強調してきたところであり,何も今に始まった奇異な発想ではない.
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