特集 非言語的コミュニケーション—言葉が使えない患者とのコミュニケーション
患者の欲求に見合ったコミュニケーション—脳卒中患者の事例を通して考える
佐々木 耕子
1
,
久保 静江
1
1秋田県立脳血管研究センター
pp.1257-1261
発行日 1985年11月1日
Published Date 1985/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661923054
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
生後問もない時期から赤児は声をあげて泣き,母の乳房を求める.母親はこれを受けて授乳し,この児の欲求を満たしてあげる.ここに私たちはコミュニケーションの最も原始的な形を見ることができる.コミュニケーションとはまず,欲求を伝える手段であり,欲求のないところにはコミュニケーションはない.
コミュニケーションの中核をなすのは,人の場合言語である.したがって失語症により,言語機能を突然失った人の苦悩ははかり知れない.いずれ言語機能が回復したり,あるいは絵カード等の手段で類言語的コミュニケーションが確立するにしても,時間がいることであり,入院から退院まで,あらゆる生活場面でケアを行なうべき私たち看護婦は,非言語的コミュニケーションとは何かについて考え,患者のケアに当たらなければならない.
Copyright © 1985, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.