主張
新しい時代に見合う看護教育の展開を
I
pp.481
発行日 1993年6月1日
Published Date 1993/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541900373
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看護婦不足が叫ばれる中,今年の看護婦(士)学校・養成所の入試を振り返ってみると,少なからず変化がうかがえる.バブル経済の崩壊による不況の波が幾分たりとも影響を与えたのかも知れない.昔から不況に強い看護職といわれていた所以と言いたいところだが,どうもこういった神話が通らなくなってきたようである.しかも今年から18歳人口の減少期を迎えたというのに,看護婦(士)学校・養成所の施設増や定数増が図られ,その門戸は全体として大幅に広がりをみせた.その上,3Kとまでいわれた看護職への志願者数の減少が危ぶまれ,そのため場合によっては定員割れも危惧された.
しかしそういう中で,それなりの定数を確保できた背景に,若き世代の人々の価値観が大きく変容しつつあるのを見逃すことはできまい.それは例えば,「自分に生かす」ことを物差しにして学校を選ぶといった傾向に象徴されており,一般大学における心理学や社会福祉系への志願者増がそのことを物語っている.
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