ホスピスからのレポート 続・死にゆく人々のケア・11
ターミナル・ケアとユーモア
柏木 哲夫
1
1淀川キリスト教病院
pp.1282-1287
発行日 1985年11月1日
Published Date 1985/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661923058
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はじめに
末期患者の心は微妙に揺れ動く.症状が好転すれば回復への希望が芽生え,悪化すれば死の恐怖にさいなまれる.病名を知ってから死を迎えるまでの期間が比較的長い場合,患者は心の揺れを何度も体験する.
1年近くホスピスでの入院生活を送った後に死亡した1人の患者を通して,末期患者の心の揺れについて考えてみたい.それと同時に,この患者がもっていたユーモアのセンスが随分と患者自身を支え,私たちスタッフのケアを容易にしてくれたことを経験した.このことを通して,ホスピス・ケアにおけるユーモアのセンスについて考察を加えてみたい.
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