ベッドサイドの看護
Good Pasture症候群で腎不全となった患者への看護
佐藤 芳子
1
1洛陽病院
pp.539-542
発行日 1983年5月1日
Published Date 1983/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922947
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はじめに
Good Pasture症候群とは,1919年,Good Pasture氏が,インフルエンザ流行時に肺出血と急速に進行する糸球体腎炎を呈し,6週間で死亡した18歳の男性の症例を報告したことに始まる.発生頻度は極めてまれな症候群で,我が国では1964年に第1例目(31歳男性)が報告され,その後1982年まで疑診を含めて32例の報告があった.このたび私たちはその32例目の貴重な症例の看護にあたる機会を得たので,その経過をここに報告する.
Good Pasture症候群とは,血清中に抗糸球体基底膜抗体が出現することにより起こるⅡ型のアレルギーで,反復する肺出血(血痰・喀血)と貧血進行する糸球体腎炎を合併し,血管炎を招くものとされている.このように肺と腎という遠隔臓器が共通して侵される原因と発症機序は,両臓器の毛細管基底膜に共通して形成される,抗基底膜抗体が関連している自己免疫疾患と考えられるため,診断基準に肺と腎の毛細管基底膜に対する抗基底膜抗体を証明することが,今日必須となってきたというものである.
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