ベッドサイドの看護
手術に伴う患者の不安とその援助—手術室での体験から
渡辺 孝子
1
1埼玉県立がんセンター手術室
pp.436-440
発行日 1983年4月1日
Published Date 1983/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922923
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はじめに
病に冒され病院を訪れる患者の多くは,様々な不安を抱いている.病状により手術を余儀なくされ,入院生活をおくらなければならない患者にとって,その不安はとりわけ大きく,近代の外科治療の拡大されたなかで,不安の要因となるものもますます多くなっている.
本来‘不安’は,人間のだれしもが体験する感情であり,そのほとんどは,健康な日常生活の中で心理機制によりうまく処理されている.しかし,ひとたび病に冒され,それまで体験したことのない病気→入院→手術というストレスによって生じる患者の不安は,当然のことながら従来の習慣的な処理では対処できないことが多く,そのため臨床側からの何らかの援助が必要となる.
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