グラフレポート
へき地中核病院としてのむつ総合病院—POSによる地域医療の革新
福島 高文
1,2
1むつ総合病院
2へき地医療センター
pp.1275-1279
発行日 1982年11月1日
Published Date 1982/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922897
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
下北医療センター方式の基本理念
へき地医療にいかに取り組むか
青森県,むつ・下北地方は三方海に面し,面積は優にほかの1県に匹敵する広大なものであるが,その大半は国有林で覆われ,人口はわずかに10万人足らずである.1971年この北方の1市3町4か村が,公的医療機関の大同団結を行い,一部事務組合下北医療センターを設立している.下北医療センターに所属する診療施設の内訳は,病院4,診療所4,へき地巡回診療所10である.そしてこの地域のほぼ中央に位置するむつ総合病院(476床)は,この地域唯一の総合病院で,下北医療センターの基幹病院となっている.そして1976年には全国に先駆けて,へき地中核病院の指定を受けている.一部事務組合下北医療センター設立の理念は,1970年10月発表された下北地区協議会事務局長,浜谷一梅むつ市助役の手になる‘第1次原案’に明示されている.
この第1次原案はまた,その年の初め厚生省病院管理研究所長吉田幸雄氏によって提示されたいわゆる吉田試案がその骨子となっている.すなわち下北医療センター設立の理念は,①医師組織の拡大,②高度医療施設の整備,③医師労働条件の改善を盛り込んだ地域医療機関の管理・財政両面にわたる具体的な道標で,人的・物的医療資源の活用を期待している.そして設立されてから10年後の今日,その設立の目的はほぼ完全に達成されている
Copyright © 1982, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.