グラフ
下北医療センター方式のへき地医療—POS応用による住民の健康管理
福島 高文
1
,
本誌
1むつ総合病院へき地医療センター
pp.1216-1221
発行日 1982年11月1日
Published Date 1982/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922888
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むつ総合病院へき地医療センター(福島高文所長)は青森県,むつ・下北地方1市3町4か村1416km2広大な地域の住民の健康を守る中核病院として存在している.同センターでは疾病の予防・治療のみならず,リハビリテーションを含む包括医療を模索し,地域住民と患者に対しプライマリ・ケアを行う保健指導部と,へき地巡回診療を行う医療部によって組織されている.
地図を見ても分かるように,優に1県分の面積のある広大な地域に点住する住民に,密度の濃い医療を提供しその後をフォローするといっても並大低のことではない.そのため同センターではPOSを応用して,住民の健康に関する情報を一覧表にし,医療スタッフのだれが見ても問題点や必要なアプローチが一目で分かるよう整理している.また巡回診療にあたっては,スタッフ各自の責任と守備範囲が明確となるよう,1日の動きを1枚のシートにまとめ,予定にそって各自がスムーズに動けるよう綿密な計画が立てられる.そのため,1診療所の巡回診療に要する時間は驚くほど少ない.今回の取材では,下北半島東部の東通村の2つの診療所での巡回診療を中心に追ったが,ちなみに小田野沢診療所での25名の診療・検査・処置に要した時間は1時間足らずであった.
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