にちようひまわり 障害児のデイ・ケアへの試み・5
活動を支える人たち[2]
姥山 寛代
1
,
大堀 孝雄
2
1東京都・北病院医療社会事業部
2東海大学社会体育学科
pp.1160-1163
発行日 1982年10月1日
Published Date 1982/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922872
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自ら障害を乗り越えた人福田敏彦くん
私の前に,青白い顔をした青年が座っている.北病院の内科医・山田先生の患者さんで,‘ほぼ全快だから,姥山さんのところに行って就職を頼んでみたら……’と言われたという.‘福田です’という自己紹介も‘フーラれす’と聞こえる.‘28歳になります’と言う.口蓋裂の手術の跡が歴然としており,そのための後遺症であると思われた.
就職を,といきなりいわれても,とっさに返事ができないでいると,彼は履歴書を出して私の前に置いた.‘あなた,何がやりたいの?’ときくと,‘障害者関係の仕事がやりたいのです.あちこち探したり頼んでみたのですが,どこにも仕事がありません.すこしノイローゼみたいになってしまって,山田先生にお世話になりました.夜も眠れないし,食欲もないのです……’と,うつむいたまま時に私の目をチラとみながら話す.これはえらい人が飛び込んできた.
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