にちようひまわり 障害児のデイ・ケアへの試み・8
治療的レクリエーションを目指して—社会体育の立場から
大堀 孝雄
1
,
姥山 寛代
2
1東海大学社会体育学科
2北病院医療社会事業部
pp.322-325
発行日 1983年3月1日
Published Date 1983/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919815
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会長を引き受けたのは
私は社会体育(physical recreation)を専門としている.特に治療的レクリエーション(therapeutic recreation)の分野を開拓していきたいと思っている.今までの医療機関における実践では,腰背痛,頸・肩・腕のしびれや痛み,胃腸障害,睡眠障害,全身の倦怠感,月経障害等々の健康障害をもつ人を対象として支援・指導をしてきた.こういう人たちは薬や注射,理学療法などでなかなか症状は解消しないので,医療機関を転々とする.まともに働くことができないし,日常生活動作の不便・苦痛を伴う.難治なので長期間苦しみ,悩み,そして失望することを繰り返す人が多い.
そういう人たちが共に心身を積極的に動かす中から,楽しさ,うれしさ,生きがいを見つけだしていく.毎日が,家庭と仕事に精一杯の暮らしで,とても趣味やスポーツどころではないと心の余裕をなくしていた人たちが,‘健康体操教室’という場に飛び込むことで共にふれあい,動き,汗をかき,歌い,しゃべることで心身のリズムをとり戻していく.運動の効果は個人の条件によりまちまちであるが,本人は‘よくなって’いくことを実感する.
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