にちようひまわり 障害児のデイ・ケアへの試み・11(最終回)
いま,ここに生きる—障害児と共にあることを見つめて
姥山 寛代
1
,
大堀 孝雄
2
1北病院医療社会事業部
2東海大学社会体育学科
pp.684-687
発行日 1983年6月1日
Published Date 1983/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922981
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ねむいよ,ねむいよ.地の底に引きずりこまれるようだ.薄目を開けようにも,上瞼と下瞼がどうしても離れない.首を持ち上げようとしても,鉛のように重い.頭の中には様々な思考が駆けめぐっているのに,体がねむいよ,ねむいよといっている.だれか,濡れたタオルを顔の上に載せてくれないかなあ,と言いたくても,口がモグモグ動いているだけだ—
こんなねむい朝を迎えては,それを乗り越えて〈にちようひまわり〉に出かける日曜日がすでに1年半続いた、今年に入ってから2か月続けて受け持っている大ちゃん(8歳)がやってくる.1日におもらしが7-8回あり,つま先立ちでかかとが床につかない.行動への要求は大きいので,歩こうとしていつも両手で人にぶらさがる.歩かせるために,このかかとを地面につけるためには,どうすればよいか.シーネで固定し,スタンディング・ボードに立たせることが先決だと,城間医師の指導方針が出た.それまでは,お母さんも何とか歩かせたいというので,両手をつないで向かい合って,さながらウサギのようにピョンピョンとつま先立ちで,ゲームに参加したり,トイレに連れて行っていたのである.
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