思春期の臨床・4
精神病理の特徴[1]
小倉 清
1
1関東中央病院精神神経科
pp.929-932
発行日 1982年8月1日
Published Date 1982/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922848
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思春期の人々が様々な事柄や状況を背景として,なんらかの心理的・精神的な問題を呈するに至った場合,その状態についてどんな観察が可能なのか,そのことはどんな意味をもっているのか,そこにはどんな特徴が指摘されるのか,といったことについて考えてみよう.
この特徴はもちろん,思春期一般についてみられる心理的な特徴と密接な関係をもっている.それらの特徴がそのまま強くむき出しになる場合や,いくらか形を変えるということはあっても,基本的には常にその背景をなしていて,全く無縁のものが,そこにいきなり飛び出してくるようなことはない.だから,思春期一般にみられる心理的特徴との対比を頭におきながら,思春期の精神病理の特徴を考えていくべきである.
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