ホームケア・8 新宿区立区民健康センター訪問看護婦のリレー随筆
コミュニケーション,コミュニケーション
山崎 摩耶
pp.888
発行日 1982年8月1日
Published Date 1982/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922838
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‘このまま,在宅にいるのと,施設入所とどちらが良いと思いますか? 僕らは施設人所を説得したいと思ってるんです.かかわる者の方針を一致させてもらえないと…’
福祉事務所でのやりとりである.Nさんは,車椅子生活をゴールに退院してきた単身の身障者である.しかも,自己導尿,時には摘便の必要な患者である.退院に際してとうてい在宅ではむりだとケースワーカーは判断していた.しかし,本人は人院生活はただ‘生きているだけ’‘生活がしたい!’と,要求を貫こうとしている.だけど,現在の福祉サービスは,ベッドから車椅子に移るにも,身体の病状管理も難しいこのような単身のケースが在宅で療養するには,あまりにも厳しい条件に満ちている.
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