学生の眼
事例研究を読んで
藤田 郁子
1
1専門学校三育カレソジ専門課程看護学科
pp.918-919
発行日 1981年8月1日
Published Date 1981/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922791
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私の書いた‘死を前にした人に導かれて’を基にした事例研究を拝見させていただいた.こんどはその事例研究に私の眼を注がせていただくこととなった.
学生たちは,死と妻の裏切りという,人間にとってまさに極限状態の最中にある患者に,主治医が‘1日も早く事実を告げるべきだと判断した’ことに疑問を抱いた.しかしやがてそれは,‘Kさんが痛みを痛みとして訴え,当然起こるであろう不安や悲しみをぶつけられる人間関係が,いまKさんにとって最も必要だと思ったのだろう……そのためには,事実をはっきりと告げ……癌と闘うために一緒にがんばっていこうとKさんに呼びかけ’るためだったという確かな読みへと展開されている.
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