学童内科の子どもたち・4
赤ちゃんはどうやってママのおなかに入るんだよ?
石田 ヒサ子
1
1神奈川県立こども医療センター学童内科病棟
pp.921-923
発行日 1981年8月1日
Published Date 1981/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922792
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
純ちゃんは実際は小学校1年生だが,入学するころから腰痛が激しくなり,6月ころに急性リンパ性白血病の再発ということで入院してきた.そのため学校生活の経験がほとんどない.純ちゃんはなかなか賢い.勉強も好きで,よく“小学1年生”の付録の問題とかドリルで勉強していた.夢中になると,廊下の真ん中にベタッと座ったまま本を見ていたり,消燈というのに,本を引っ張り出し納得のいくまで看護婦に大声で聞いていた.純ちゃんの勉強はちょっとみると,パズルとかクイズの問題解きをしているという感じの楽しさを受けたものである.
この純ちゃん,明るく,わんぱくでかなり行動的にみえる一方,非常に甘えん坊でもある.家庭は両親が離婚し,新しいパパがいるということである.純ちゃんに聞くと‘時々面会に来るのが新しいパパだよ’とか‘本当のパパはいないよ,離婚したんだよ’とこともなげに言うので,聞いている私たちがビックリドギマギしてしまう.
Copyright © 1981, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.