特集 看護学における事例研究法─新たな研究デザインへの可能性
【看護実践における事例研究】
実践知につなぐ事例研究―一事例の事例研究から複数事例研究へ
木下 幸代
1
1聖隷クリストファー大学看護学部
キーワード:
事例研究
,
複数事例研究
,
研究デザイン
,
実践知
Keyword:
事例研究
,
複数事例研究
,
研究デザイン
,
実践知
pp.184-189
発行日 2013年4月15日
Published Date 2013/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681100765
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はじめに
看護学は,看護実践について探究する実践科学であり,看護実践を支える理論をつくるための実践知の体系化が大きな課題となっている。日本においては,1990年代から看護系大学・大学院が急増しさまざまな看護系学会も設立されて,投稿される研究論文の数は急増している。しかし,それらの研究成果が統合され一般化されて看護実践を支えるモデルや理論の構築に至る道筋は確立されていない。
日本慢性看護学会研究交流推進委員会では,慢性看護の知の体系化に向けた試みの1つとして,事例研究の成果を蓄積して看護モデルの構築あるいは一般化をめざしていくことが実践知を生み出すための1つの重要な道筋ではないかと考え,看護実践の担い手である現場の看護師が行なう事例研究を取り上げて,2009年から,「看護実践における事例研究」をテーマとした研究交流ワークショップを開催し検討を重ねてきた(研究交流推進委員会,2012)。
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