いのちの現場で したたかに生きる看護婦を追って・2
養護老人ホームの看護婦[1]
長岡 房枝
1
1(株)日本軽金属診療室
pp.205-207
発行日 1981年2月1日
Published Date 1981/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922717
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‘看護婦さん,起きてくだせい.花村さん,花村さん,おせんちゃんがおかしいでよ’
時計を見ると午前3時.看護婦の花村さんはもう部屋の外に飛び出していた.7号室の佐藤きよさん(73歳)が目をしょぼつかせて廊下に立っている.7号室に駆けつけると,せんちゃんと呼ばれる沢田せんさんはいつもより大きな目を見開いて天井をにらんでいた.手を握ると温かかったが,脈は触れず呼吸が停止している.慌てて心臓マッサージと人工呼吸を交互に開始したとき,当直の療母が部屋に走り込んで来た.
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