◆特集 作業療法でとらえる対象者の問題
「養護老人ホーム」のOTから見た問題—障害をもたない老人を中心に
米永 まち子
1
1四天王寺悲田院
pp.9-14
発行日 1984年8月15日
Published Date 1984/8/15
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はじめに
高齢化社会の到来や,老人のリハビリテーションの重要性は,随分以前から唱えられており,その社会的ニーズは非常に高いにもかかわらず,一般身障や他の分野程には発展していない。又,多くのOTも「老人」のOTの重要性や,将来の必要性をそれ程,認識していないのが現状だろう。それは,リハビリテーションが常に,「心身の明らかな障害」のある者に関わって来たからで,「明らかな障害」を持たない「老人」は対象視されにくかったからだが,老人は種々の特徴からみても,ハンディキャップや機能的障害へ移行しやすい存在であり,障害を持たない老人への健康維持,機能維持のリハビリテーションサービスの実施は「老人大国」となる今後,社会的にもその比重を必然的に増していくと思われる。
ここでは,我々が養護老人ホームでOTを行っている経験を基に明らかな障害を持たない老人に焦点をあて,その問題点を探ってみたい。
福祉についても少しふれる。
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