老人医療と福祉の課題
養護老人ホーム,特養における老人処遇—医療問題を中心に
前田 甲子郎
1
1名古屋市厚生院
pp.228-232
発行日 1982年3月1日
Published Date 1982/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541207693
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老人福祉法が施行されて既に18年余,戦前の救護法時代の養老院,戦後の生活保護法時代の養老施設から,老人福祉法時代となり,名称も老人ホームと近代化され慈恵的な収容施設から老人の人権を尊重する生活の場に移り変わった.しかも世界でも例をみないと言われる急速な高齢化社会への波は,老人ホームにも訪れ利用者の年齢は急速に高齢化し,病弱化と相伴って医学的管理処遇のニードが強調されるに至っている.しかしながら我が国の有名な縦割り行政のわくの中では,民生行政の老人福祉と衛生行政の医療の間では必ずしも車の両輪のごとくとは言われず問題が山積している.これらの点を病院を軸として,各老人ホームとコンビネーションシステム(以下C.S.)をとり,我が国では比較的理想に近い医学的管理体系をとっていると言われている厚生院での観察を中心に検討し報告する.
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