特集 なぜ事例を検討し合うのか
卒後教育における事例検討会の必要性
飯田 澄美子
1
1神奈川立衛生短期大学
pp.353-361
発行日 1976年4月1日
Published Date 1976/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922595
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はじめに
看護とは何か,ということを科学的に,質的に検討してゆくことの必要性が,盛んに取り上げられるようになってきたのは,そう古いことではない.その間に,看護学が看護の実践者から論じられたり,また保健学の立場から,人間科学論として展開されたり,人間関係が強調されているもの,人間学・哲学の面から論じられているもの等々,医学者・看護研究者・心理学者・社会学者・教育学者等々の立場から,看護学が論じられてきた.
それぞれの立場は異なっていても,人間が対象であり,人間に対する接近の仕方を開拓してゆくことの必要性が指摘されている.真に個別化され,真に全体的人間として把握でき,真に生きた人間に迫りうる独得の方法があり,看護の実践の根底におく必要のある点については,同じような意見があげられている.
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