ベッドサイドの看護
回腸瘻を造設した患者の装具の考案
山川 幸子
1
1鳥取大学医学部付属病院外科病棟
pp.274-277,281
発行日 1976年3月1日
Published Date 1976/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922576
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はじめに
人工肛門造設術を受ける患者は年々ふえて,全国で年間約1万5000-2万人と推定されている.当外科病棟では普通の人工肛門は10-14日のうちに排便の処理を自立させ,退院に導いているが,最近,若い人に多いと言われる回腸人工肛門では,排便の処理に非常に問題を残している.当外科で,この手術を受けた患者は5名で,生存者は2名であるが,いずれも十分な日常生活を送っていない.
ここに,潰瘍性大腸炎で回腸人工肛門造設後,3回の手術の末,装具考案により,約9か月後に排便の処理が自立し退院していった患者がある.多くの問題の中から,特に術後合併症の予防,皮膚びらんの予防と装具工夫,および退院後の経過観察を行ったので報告する.
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