特集 院内感染はいま
消毒剤選択の基礎知識—院内感染予防のために
尾家 重治
1
1山口大学医学部附属病院薬剤部
pp.975-980
発行日 1989年10月1日
Published Date 1989/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922379
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はじめに
消毒剤にはそれぞれ固有の抗菌スペクトルや毒性がある.また,被消毒物の材質に対する影響や,有機物の存在による効力低下の程度なども,消毒剤により異なっている.従って,同一の消毒剤がすべての場合に適するということはありえず,その場に応じて適切な消毒剤が選択されなければならない.
消毒剤の不適切な選択は,院内感染の原因となる.例えば,手術器具を消毒用エタノールで“滅菌”して使用したために破傷風が生じた例がある.また,内視鏡の消毒で不適切な消毒剤を選んだため,結核やB型肝炎などが生じた例も多くある.
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