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特集 院内感染—現状と対策
院内常在菌の検出と消毒剤の感受性に及ぼす繁用消毒剤の影響
Effects of disinfectants commonly used in a hospital on detection rate and disinfectant susceptibility of indigenous bacteria
白石 正
1
,
仲川 義人
1
Tadashi SHIRAISHI
1
,
Yoshito NAKAGAWA
1
1山形大学医学部附属病院薬剤部
pp.1455-1460
発行日 1991年12月20日
Published Date 1991/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900689
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グルコン酸クロルヘキシジン(CHG)と塩化ベンザルコニウム(BAC)が繁用されていた1987年当時,山形大学医学部附属病院の消化器系内科および外科病棟の流し場ならびに同内科に勤務している医師の手指から分離されたPseudomonas cepaciaの3株すべてがCHGに,Serratia marcescensの8株中5株がCHGとBACの2剤に抵抗性であった.しかし,CHGの使用量の減少に伴ってポビドンヨード(PVP−1)の使用量が増加しつつあった1989年になると,前記した対象のいずれからも消毒剤抵抗性の細菌はまったく検出されなかった.この成績は,院内感染症の起因菌として重要視されているSerratia属やPseudomonas属の院内環境からの除去には,PVP−1などの中水準消毒剤の繁用が有効であることを示している.
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