特集 院内感染管理の新しい課題
病院における消毒剤の利用
川北 祐幸
1
1順天堂医院・病院管理学
pp.34-40
発行日 1974年12月1日
Published Date 1974/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541205498
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感染を防ぐ手段にもいろいろあるが,消毒剤による方法は重要な一手段である.消毒に関しては古くから多くの書物に書かれており,基本的なことは皆よく知っていることであろう.ところが院内感染の問題が,従来のようにいわゆる伝染病に限って考えていた時代とは異なった概念に基づいて論じられるようになった.一方,病院は建築構造的にも複雑になり,空調,エアシュータ,ダムウェータのような各エリアを循環するものが多く利用され,医療器具についても,複雑な構造を持ち,一部には,患者の呼吸気,体液を機器内に取り込んで循環させる機能を持つものにまでなってきている.これらの要素をふまえた上で,病院における消毒はいま一度考えなおし,新しい考えのもとに構成しなおし,今日問題になっている院内感染に対処していかなくてはならない.
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