測定法の基礎理論 なぜこうなるの?
消毒剤の作用機序
北澤 式文
1
1京都大学病院薬剤部
pp.462-468
発行日 1978年6月1日
Published Date 1978/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543201633
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"細菌が体内に侵入して種々の感染症の原因となる."現代では幼い子供にまで知られ,その予防のために手洗いやうがいなどが子供の躾の基礎となっているこの事実が,今から百数十年前までは医療関係者の間ですら知られていなかった.
当時,Semmelweissは産科病棟では産褥熱による死亡率が10%にも達していたのに対して,助産婦実習の場ではその1/3程度であったのに注目し,医師にクロール石灰水で事前に手洗いを励行させ死亡率を3.8%にまで下げることに成功した.今から考えればこれは化学的消毒,あるいは薬剤消毒の最初であると言うべきである.しかしSemmelweissのこの説は当時の医療関係者からは不可思議なものとして敬遠された事実が残されている.
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