特集 院内感染はいま
医療職者への院内感染における法的責任—B型肝炎の感染防止について
塚田 敬義
1
1京都大学法学部(民法,医事法)
pp.969-974
発行日 1989年10月1日
Published Date 1989/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922378
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はじめに
院内感染の著名な事件としては「新宿・産院集団乳児結核事故」や「呉・産院新生児サルモネラ感染症事故」がある.これらは多数の患者が被害者となったために広く知られたものであるが,医療事故判決例を調べると,注射の後に感染症が発症した事例が多数ある(原因として,注射器具や注射部位の消毒不完全にあると推定される).しかし,被害者が前出のように集団発生しない事例が多いためか,一般社会に知られ難いようである.
一方,患者への院内感染は医事紛争に発展する可能性が多分にあり,多数の研究がある.
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