連載 高齢化社会の福祉と医療を考える・35
老人看護学の課題
木下 康仁
1,2
1立教大学社会学部
2(財)日本老人福祉財団
pp.716-719
発行日 1989年7月1日
Published Date 1989/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922323
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新カリキュラムに老人看護学が組み入れられたことの意味
懸案となっていた看護者養成の教育カリキュラムが,20年ぶりに大幅に改定されるという.改定の主眼は,全体的にゆとりが持てるように講義の総時間数を減らすことにあるようだが,老人のケアに携わる人々にとって見落とせないのは,「老人看護学」が新しい科目として設けられることである.
厚生省はこの科目に90時間を割り当てる予定である.この時間数が妥当か否かはともかく,老人看護学が独立した科目としてカリキュラムに組み入れられる意義は大きい.なぜなら,これまでこの分野の確立を目指してきた人々にとっては,教育カリキュラムでの科目設定が一つの重要な目標であり,その意味では,正に老人看護学は新たな専門分野として公式に認定されるからである.
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