特集 医療過誤・看護事故から学ぶ
被告席で看護を問われた私—ある看護婦の述懐
田中 恵
pp.674-677
発行日 1988年7月1日
Published Date 1988/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922034
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なぜ私が?
昭和55年,他院での3年の臨床経験を経て,私はある癌専門病院で働き始めた.仕事は忙しく緊張の連続でもあったが,癌の患者さんへの援助がしたいという想いは満たされ,あっという間に2年が過ぎていた.
昭和57年の春,「Mさんのことで話がしたい」とある日副院長室へ呼ばれた.別館にある副院長室への長い廊下を歩きながら,私はMさんの夫とのかかわりを思い出し,退院された後もすっきりしないものが残ったことを思い出していた.
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