座談会
網膜(循環),他—(第1会場 第1席〜第10席) 第81回日本眼科学会総会印象記
松山 秀一
1
1弘前大
pp.1013-1038
発行日 1977年8月15日
Published Date 1977/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410207481
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第81回日本眼科学会総会は去る4月22日から3日間,東京医大,松尾治亘教授のお世話により,厚生年金会館を舞台に開催された。好天に恵まれ,また危惧されていた交通麻痺も事前に回避されたことは幸いであつた。以下,編集部からの求めに応じ,第1日目,第1会場,午前の部(第1〜10席)の発表,討論を見聞しての印象を記す。出席者の数は必ずしも多くはなかつたが,新しい知見か報告され,活発な討論が展開された。
第1席は霜鳥政光氏ら(千葉大)が開発されたリボフラビン螢光眼底撮影法についての研究で,今回は,光凝固を施した家兎網膜におけるリボフラビン(FADおよびFMN)螢光所見の経時的推移を観察したものであつた。これに対し編田氏(東大),武田氏(札医大),長滝氏(東大),尾羽沢教授(東海大)からそれぞれ,リボフラビン使用の理由,フルオレスチン(以下フルオと略記)との優劣,蛋白結合の程度,フルオとの毒性の差について質問があつた。フルオにもショックなど副作用があり,それに代るものとしてリボフラビンの螢光に着目したが,現在までのところ,フルオより優れた点を見出してはいないとの答であつた。また西田氏(愛知医大)からmacrophage, melanin, pigment epitheliumとの関係についての質問があつたが目下電顕下で検索中とのことであつた。
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