第78回日本眼科学会印象記
第1会場第1席〜第13席—(結膜・感染症・ブドウ膜炎・硝子体),他
内田 幸男
1
1東京女子医大
pp.953-977
発行日 1974年8月15日
Published Date 1974/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410205172
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定刻に開会式が始まる。ここ教育会館もいろいろな学会を通じて馴染みとなつた。鹿野理事長の開会の辞で,国際眼科学会が本年のパリに次いで,日本で開かれることがほぼ決定した段階にきていることが知らされる。全世界が相手なので,会期や開催地を一旦きめると変更不可能とか,大変なことである。今学会が春闘ゼネストに一致したことは古今未曽有のことであり,大塚会長の挨拶ももつぱらこの経緯についてであつた。東京でも交通に便で,2会場が持てる所は2,3しかなく,日時の変更ももし本会場をとるとなると,12月まで使用可能の日はなかつたとのことである。ゼネストそのものも今までにない大規模なものであり,本日まで国鉄も3日間止まつたままである。出て,見て,聞いて,教えてもらえばよいだけの私でさえ,今日の開催の可否がここ数日間気になつて仕方がなかつた。大塚会長はじめ医歯大の諸先生のご苦労は想像に余りある。4日前から準備のため,近くに泊まられた方も多いという。「2日分を1日にまとめ,今日開けただけでも助かつた。開催不能の場合は腹でも切らねばと考えた」という大塚会長の言葉には,一途にこの学会にかけられた熱意のほどが感じられた。ただし会長の「ハラキリ」に関しては,隠された貴重な裏話しがあると聞く。私が述べては興味半減,どうか会長ご自身の口から伺って頂きたい。
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