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中耳移植
湊川 徹
1
1兵庫医科大学医学部
pp.440
発行日 1988年5月1日
Published Date 1988/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921979
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同種鼓膜とは
外耳や中耳の障害が原因で生じる伝音性難聴に対して,聴力改善を目的とした鼓室形成術(中耳再建術)が行なわれる.この場合,多かれ少なかれ局所の修復に代用となる材料が必要である.鼓膜の穿孔や欠損に対しては筋膜が,耳小骨の欠損には耳介の軟骨や人工耳小骨が用いられる.これらをうまく用いて手術を行なえば,聴力の改善度も増す.しかし,これらの材料を用いても中耳の再建か困難であったり,また一時的に聴力が改善しても,時間の経過とともに再び悪化が予想されるような症例がある.例えば鼓膜がほとんど欠損していたり,ツチ骨が無い場合である,具体的に,先天性外耳道閉鎖症などはその一例である.そのような場合,同種材料の移植が適応となる.
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