研究と報告
心と体の“鎧”を解く—生体エネルギー法と看護
今井 香織
1,2
1北里大学看護学部公衆衛生学
2ホライゾン心理・教育センター
pp.1208-1211
発行日 1987年12月1日
Published Date 1987/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921877
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はじめに
私たち人間は生命エネルギーそのものですが,その外側に様々な衣服,つまり文化によって形造られた鎧(よろい)をまとって生きています.ところが現代では文化によって造られた衣服・鎧の部分があまりにも肥大化してしまいました.その結果,現代人は真の自己を見失ってしまいがちです.真の自己よりも,衣服ばかりを意識して生きることになるからです.
看護の場において患者との良いコミュニケーションは,互いが鎧・社会的自己ではなく,真の自己・生命エネルギーそのものとして出会えた時に成り立つと言えます.そこでそのようなコミュニケーションを妨げるものは何であるか,そしてナースが自己を知り患者を知るためにどのような方法があるのかを,生体エネルギー法(バイオ・エナジェティック)の理論を通じて考察してみたいと思います.
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