連載 高齢化社会の福祉と医療を考える・10
「ねたきり老人」を考える[2]—身体移動の極小化と極大化
木下 康仁
1
1立教大学社会学部
pp.596-599
発行日 1987年6月1日
Published Date 1987/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921744
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前回は,もともと日常語であったのに今や社会用語になり,さらには公的用語から研究用語にまでなろうとしている「ねたきり老人」という言葉について,なぜそれを問題視しなくてはならないのかを分析した.そして,「ねたきり老人」が社会的に実体化されていく過程で極めて重要な役割を果たしていると思われる,厚生省が毎年全国規模で実施している厚生行政基礎調査の内容を詳しく検討した.今回は「ねたきり老人」によって表象されている問題の本質をマクロな視点から考え,続いてその分析を具体例を引きながらケアに結びつけて展開してみよう.
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