NURSES' VIEW
プライマリ・ナーシングを導入して
後藤 桂子
1
1聖路加国際病院
pp.1105
発行日 1986年10月1日
Published Date 1986/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921534
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当院では3年程前から,プライマリナーシングについて,米国の文献や資料をもとに検討してきた.日本と米国の看護・医療の差を考えると,プライマリナーシングの基本や考え方は生かせるが,それを実践の場に移したときの形は,日本の,しかも当院なりの独自性が生じる.病棟看護主任として,ブライマリナーシングの導入によって経験した変化をここに述べてみようと思う.
昨年度初めに作成した規定書を基に,約4か月間の病棟での準備を経て,昨年11月より25床の婦人科病棟で導入を行なった.インチャージナース(通常は主任)がすべてを知っていて,ケアについて決定したり指示したり,医師と連絡をとり,日々受け持ち看護婦が変わるという形から,プライマリナーシングへは,大きな変化が必要である.この変化の大部分は,プライマリナースの役割をきちんと決め,それが日常の24時間で最も効果的に発揮障れるように,周辺の業務を整理したり,勤務形態を変えることでできてくる.プライマリナースとなることで,その患者についてのケア上の責任や意志決定を引き受けることになる.これは,看護婦自身の自律性や患者からのフィードバックによって,看護婦の満足感を高め,個別的ケアとなって表われる.
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