ちょっと一言 総婦長のつぶやき
‘愛’に思う
溝口 アツ子
1
1大阪厚生年金病院
pp.1049
発行日 1986年9月1日
Published Date 1986/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921519
- 有料閲覧
- 文献概要
齢を重ねてン十年,このごろしきりに‘愛’について考えさせられています.看護の原点は病に悩まされ,弱者となった患者に救いの手を差し伸べるところにあり,‘愛’がなくては成り立たないと言われます.
‘愛’を広辞苑でみますと,①ある者はひきつけられ,それを慕いあるいは,いつくしみ,かわいがる気持ち,②キリスト教で神が人類に幸福を与えること,他の人間を兄弟と思ってかわいがること,③仏教では師や言上を敬い,真理を尊ぶ感情は清らかな愛で,これを万人に及ぼすことが理想である.自己と自己の所有とにこだわるのが,けがれた愛で迷いの根本原因となる—とあります.
Copyright © 1986, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.