特集 患者にとっての良いナースでありたい
患者さんを自分の鏡と心得て—婦長からスタッフへ
古川 敦恵
1
1国立療養所東京病院3病棟(呼吸器科)
pp.768-772
発行日 1986年7月1日
Published Date 1986/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921461
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看護は,特に女性にとって,その特性を思いきり生かしていける素晴らしい職業です.看護の本質を考える時,良い看護ができたというてとは良い人生を生きたと言えるのではないでしょうか.このように素晴らしく,またやり甲斐のある仕事なのに,一部のスタッフの表情や行動を見ていると,なんともったいない人生を送っていることか,なんと大切なものを見失なっているものかと思い,その生命を揺り動かして分かってもらいたいと思うことがよくあります.確かに医療の場では,勤務体制や時間,設備,そして人間関係の面など,どこを取り上げても厳しい現状ばかりが目に映るかもしれません.しかし目の前に病んでいる患者さんがいる限り,どんなに厳しい状況にあったとしても看護をしなければならないのです.どうか真の看護のできる,プロに徹したナースに成長してほしいと思います.
病棟婦長として,常日ごろ感じていることを思いに任せて述べさせていただきます.この拙文が縁となって,少しでも現実を振り返り,多忙さに流されている日々の中で,看護とは何かを考える参考になり,明日の仕事への糧となれば幸いです.
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